園の日常

ふく

「文化の伝承」は遊びの世界でも。

ウオッチやプリキュアに熱心な園児達も、ルールが単純で大人数でワイワイ遊べる遊びにも夢中になれる。青組BとCクラス、黄色組がリズム体操教室でピアノ前スペースを使っている時間は、カフェテリアの丸テーブルに大きくすごろくや福笑いを広げて、かなりヒートアップして遊んでいます。掌に乗るゲーム機はゲーム機との対戦。文化の伝承遊びは大勢で勝ち負けを通じてルールを学ぶ場。

11日に乳児から幼児の発達を解剖学の視点で考えるシンポジュウムに参加し、何冊かの本を紹介された。その場で、アマゾンで注文した2冊の本を交互に読んでいます。”成功する子、失敗する子”、”子どもに公平にチャンスを与えよう”の2冊。いづれも乳児期の家庭環境が、その後の人の人生に与える影響について追跡調査を行った結果を題材にしています。「成功とは何か?」「幸せとは何か?」は人によって違うのですが、ネガなぶぶんである、「逮捕歴」「薬物中毒」になる割合については意見は違わないと思います。後者の視点では、家庭環境による影響は顕著でしたが、近年は富裕層の子弟でも「あまやかし」から増えている傾向があります。家庭環境(住んでいる地域における犯罪件数、薬物中毒者の数などは圧倒的に影響があります)は子どもの力では変えられません。家庭環境が悪くても、親と子どもの関わりが十分であり、道徳的なものであれば、犯罪歴はグッと減ります。動物でいう「毛づくろい」は親と子どもとの結びつきを強め、親からの自立も早いのですが、人間も同じ。つらい時、困った時に安心して頼れる親があいれば、冒険心も湧く。「毛づくろい」で子どもにタッチしている時間、その間に話す内容が良ければ、さらに親子の絆は強くなる。既に犯罪者や薬物依存症になった成人を更生するのは失敗が多いので、それより乳幼児の親子の絆(アタッチメント)を深めることに社会として投資することの重要性や、「我慢する」「辛抱強い」「粘り強い」子どもIQの高い子どもより、生涯賃金が高い(いいかどうかは別として)仕事についた、という展開がこの2冊の本に書かれています。

我慢、辛抱強さは、「やり遂げる力」につながります。中途半端に投げ出したり、努力途中であきらめたり、の癖が有ると、仕事も長続きしないし、信用も勝ち取れない。公平であること、ズルをしないことは、信用を勝ち取るには欠かせません。

「文化の伝承」であること、遊びとして代々引き継がれている意味は、この我慢、辛抱、公平、ズルしない、などといった普遍的な価値観を色濃く内在している遊びだからでは、と考えながら青組の遊びを見ています。

IMG_0255 IMG_0256 IMG_0257 IMG_0258 IMG_0259 IMG_0260 IMG_0261 IMG_0262 IMG_0265 IMG_0266