会議・勉強

360ど

8時半に園前で集合し、園長車と職員の車の2台に分乗し、北陸自動車道経由で砺波市役所へ。

チューリップで有名な砺波市。市庁舎は昭和の雰囲気ですが、丁寧に使われており、掲示のポスターや備品を見ても、職員と市民の方が大切に使っているんだな、と感じます。

研修は、和光が2011年から取り組んでいる「見守る保育」の勉強会 ギビング・ツリー(GT)富山の6園が主催する勉強会で、毎年和光から富山県に遠征して参加させていただいております(岡本先生、ありがとうございます!)。 東京の研修は、毎年3名ですが、富山だと時間と費用の面から多くの保育教諭が参加できてありがたいです。

異年齢児保育の振り返り・再確認

異年齢児保育の反対理由として、「子供たちの発達は年齢により違うので、違う年齢の子供たちを一緒にするのは無理があるのではないか?」というものですが、これが逆に異年齢児保育が必要な理由です。

つまり、年齢別保育は年度別保育であり、4月生まれと翌年3月生まれという発達段階が違う子供に同じことをやられていること自体、不合理。 発達には順序があり、その子一人ひとりの発達に合わせた保育をしないと、ねじれが出てくる。 発達はそもそも年度で区切るものではなく、発達が同じくらいの子供たちの集団の中で北を行うことがひつようであり、結果として異年齢児の集団(3歳と4歳、4歳と5歳など)となる。子どもにとっても、自分の発達にあったことをするのは面白い。 つまり、発達にあった保育をすると、結果的に誕生月で区切ることのいみはない。結果として異年齢児集団での保育となる。

愛着について (これは、11月11日に中野で受けた東京大学の遠藤利彦教授の話を藤森園長先生がまとめたものでした)

人の子供は、種の保存のために短期多産が必要で、つまり毎年1年生める身体を持っており、そのためには上の子は9か月ごろに、自分以外の他者が存在し、他社との関連性の中で生きてゆくことが身についている。社会で子供を育てることができなければ、毎年1人の出産は無理なので、母親が子育てをするのは授乳期のみで、そのあとは社会に育ててもらう。そのためには、母親以外に信頼でき、安心できる大人との関係作りが必要で、これは本能。 危険を察した時、不安な時に、必ず守ってくれる人がいることの安心感があれば、行動範囲が広がり、人は自立に向かう。 愛着関係が不十分だということは、いつまでも母親に抱かれていなければならないことの表れであり、まずは母親との愛着が必要。 不安を感じると、脳は自分の身を守ることに全力を注ぐので、いつまでも不安であると乳児の脳の発達に悪影響を及ぼす。 信じられる人に守られているという安心感は、脳の発達を正常なペースに保つので、とても大切。

子どもの好奇心は360度、縦横無尽。 好きなことを思いっきりやらせないと、好きでないことができなくなる。 好きなことをする気持ち、嫌いなことでもやろうとする気持ちのバランスが取れずに成長すると、いつまでも好きなことしかしなくなり、社会生活に支障がでる。それぞれの年齢でそれぞれが経験しやることがある。いたずら、好奇心、それを制止され、思いっきりのいたずらと好奇心を経験しないと、成長後にそのいたずらや好奇心が欲求がでてきて、社会的な不適応を経験する。 つまり、2面性。 普段はいい子なんだけど・・・。

見守る = 情緒的利用可能性(Emotional Availability)について

「心が不安定になった時に、いつでも利用できる人がいる」ということが確認できること。特に必要ないときにはあえて、踏み込まない。 こどもがシグナルをださないなら、介入しないという黒子であり、子どもたちによる遊びや問題解決を、運動会などの応援団のように、すこし離れたところから応援する、そんな保育士が理想。 こどもは、利用できる人に優先順位や得意分野をつくっており、この問題にはあの先生、これにこまったらあの先生に助けてもらおう、というリストをもっており、そのリストが育つような保育が目標。

和光でも、0歳児クラスといっても、4月に1歳になった「0歳児」もいれば、5月生まれの「0歳児」もいますが、4月2日の誕生日を基準にしてのクラス編成はせずに、発達段階でグリップ分けをして、出世魚形式でグループを移ってゆきます。 園児とのかかわりといった文脈での「見守る」を6人の和光の先生と再確認できたことは、それも園から1時間以内の場所で、有意義だったとおもいます。 アトリエの準備では、3歳以上児を主としていましたが、子どもの育ちは連続性があり、はやり0-2歳をいかに一人ひとりを大切に保育するか、がより大切だと再認識する研修でした。

4時過ぎに和光に到着。 青組では、ドレスを着た園児に「あー、えんちょうせんせいや」と出迎えてもらいました。 私のことは、愛着リストのどのあたりの、どのカテゴリーに属するんだろうな?と思った次第。 たぶん、「(あんまりおこらない)じーちゃん」だ。

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