出張

ゆとり

地下鉄を乗り継いで、バスターミナルから郊外行きのバスに乗って30分、バス停から徒歩で10分ほどの2014年に開発が始まった新興住宅街にある保育園を訪問。

園児数が100名、職員が20名。 「レッジョ・エミリアではないよ」と公言するものの、その要素を所々に取り入れた「レッジョ・インスパイアード」な園。 玄関のすぐ先にあるアトリエを中心に、左が乳児クラス、右手がカフェテリアと幼児クラスの棟になります。和光と同じL字型の園舎構造(平屋ですが)。 流石にIKEAの地元の国であるからか、和光にもある観たことのある家具やライト、小物が至る所にあり、それがまくレイアウトされいます。自国の物は、自国人の使い方が正解なのかも、と感心します。 園内は間接照明。 スポットライトが当たることろには、園児の作品や情報が。 粘土遊びを4歳児としましたが、言葉は全く通じないのですが(ありがとう、日本から来た、程度は話せます)、ニコニコしながら、ピザ作り。 戦いごっこや争い事の真似をする子はおらず、大人の「次はこれ、はい、こうして」などの声かけ(らしきもの)は一切聞こえず、仲間との粘土やごっこ遊びに没頭しています。

今回は、6つのデンマーク、スウェーデンの園を訪問しましたが、「ホール」と言われる建物は一つもありませんでした。「雨の日は?」の質問に、「それどう言う意味?」の答え。 つまり、雨でも、雪でも必ず外遊びはします。濡れるのは、「お天気が悪いのではなく、適した服装をしていないから」との慣用句があるとのことでした。 すでに外気温は10度から15度ですが、日本でいうつなぎのスキーウエアを着て、園庭を走り回り、それぞれのタイミングで園舎に戻ってきます。外の先生、中遊びの先生、連携も上手く取れている様子。

スウェーデンの保育園の労働時間は週40時間で、12時間開所。 土日夜間保育専門の園が各学校区に一つあり、それ以外は月曜から金曜日。 育休は1年から2年で、その間は80%の給料が保証される。 社会保障料が高いので手取りは減りますが、日本の66%に近い手取りかと思います。労働時間や環境は日本と大差ない、研修や会議の時間は、2クラスを1クラスの先生たちが見ることにより、捻出できており時間外は発生していないとのことでした。 何となく感じる「ゆとり」は、園児の主体的な生活態度の結果と思いました。 つまり、質はゆとりを生み出す、と言うわけですね。この点、園長は「こどもの権利を尊重すること、特に「聞くこと」」と言っていました。ただし、「子供も言いなり」(=例えば、犬が飼いたいと言ったら、飼ってあげることではなく、要望を聞いて話し合いで導く、と言うこと)ではなく、あくまで大人の導きがなければ、人しての育ち、発達は保証されないのだ、との話に、「なるほど」膝を叩きました。