出張

すーぱー・ティーチャー

10時からビックサイトで行われている教育ITソルーションズEXPOに。

広大なコンペンションホールに、e-learning/active learning、学校運営支援、教員支援、ハードウェア支援、災害予防ソルーションなど多くのブース。とても短時間では回りきれません。興味のあるブースを回るだけでもタッブリ2時間。

ブースでは時間割に従って説明員、メーカー社員などが自社製品のプロモーションを行っており、その中でも「スーパー・ティーチャー講演教師に夢を、子供たちに未来を!」と題するプレゼには多くの人が集まっています。それで私も聞き入りました。佐賀市の公立小学校の先生です。IT道具を使って、授業の幅や深み、面白みを増やして、質の高いクラス運営を行っているのがよくわかり、少し感動しました。例えば、電子黒板に出された質問を小学生がタブレットで答えるのですが、質問の意味や答えの導き方が分からない生徒がいると、生徒は先生に助けを求めるのですが、先生は「あそこの、なんとかちゃん、もう問題が解けたみたいよ(先生の手元にあるタブレットで解答済みの生徒がわかる)、なんとかちゃんに聞いてみたら」と生徒同士での問題解決、話し合い、助け合いを引き出す授業運営をやっていて、ずいぶん生徒同士の関わりが増えている事例。また、ラインやSNSでの生徒間の問題、ネットで遊んでいるうちに高額請求などの事件がメディアで取り上げられ、学校でも対策に苦慮しているのが現実ですが(野々市市の生徒指導連絡会の委員でしたが、毎回このような事例が小中高の先生達より報告されていました。この小学校ではこのラインやネットトラブル自体を課題として生徒に自宅や教室でトラブルの事例や予防策を検索し、まとめて報告し合う授業を行い、問題の理解、予防方法を生徒自らが考えて実行している、との報告がありました。スマホやタブレットを子供に与えない、というだけでは解決策にはならないわけで、これは私が日頃から考えていたことであり、共感しました。

15分程度のプレゼンの最後にこの内田先生の「教師の夢」が熱く語られました。先生の喜びは成人した卒園生の同窓会に呼ばれて、いっしょに語り合うこと、ちゃんとした大人になっている、つまり自立して、稼いで、税金を払って、地元で生活している大人に育っていることが喜びであり、そんな大人を育て続けることが夢だ、と語っておられました。

これからは少子高齢化が進むのはさけられない統計上の実事。少ない子供達が多くの大人、高齢者を支えて行く社会がやってくるわけで、そんな時代の到来を予測して、そんな時代に対応できる大人を育てるのが、学校教育の使命だ、との締めくくり。それには;

・少ない人数でも協力し様々な課題を解決しながら、

・自らの足で、たくましく立つ、

・田舎でも活躍するひと

を育てることを目指しているとのこと。

昨日のセミナーでも感じましがが、小学生になって突然、協調性や思いやり、ユニークな発想力や根気が芽生えることはなく、それは最も教育の川上にある、認定こども園で行うことが我々の責任である、という点です。小学校の先取り教育や保護者の人気取りのカリキュラムではなく、言葉や愛情といったもっともメンタルな部分。しかし、この先にはITが道具としてもっと身近にある社会が到来し、そのIT道具もうまく使いこなしながら、うまく使いこなせるような、そんな流れを幼保と小中高で作っていく必要があります。「21世紀型能力」と内田先生はネーミングしていましたが、深くポイントをついており、同感です。

今後の教育界のトレンド、それを見通しての幼児教育・保育の充実の必要性を痛感する出張でした。

2時からは、蔵前の私立保育園会館で全国私立保育園連盟の月例会議。私が担当である世界幼児教育機構の世界大会での発表の準備状況などを報告して承認をいただきました。6月中旬に英文での原稿を作成し、6月末に校了、7月に印刷、というスケジュール。緊張しますな。

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