出張

よっかめ

大会2日目のゲストスピーカーはNY大学の教授による乳幼児教育の「あり・なし」について。

「あり・なし」というのは、社会情勢、家庭環境、貧困により幼児教育を受けられなかった子供が、幸運にして同じ国、同じ地域に住んでいながら、行政の「介入」によって幼児教育を受けることができた場合を、20年間に渡って追跡調査した結果を指します。結果については言うまでもないですが、高等教育進学率、収入、現在の家庭環境に大きな違いが出ているとの報告。これは意外な結果ではなく、データとして証明された、という話なわけですが、程度の差はあれ同じ状況は日本でもあり、とかく「平均」を見がちですが、一人一人の育ちを保証することは社会、法人、としての責任でもあることを再認識した次第です。

午後は、日頃から感心のあるデジタル機器の保育現場での応用についてのシンポジュウムに参加。20人程度の小グループでのディスカッションです。去年の大会でもこの分野に感心があり、分科会に参加したのですが、今年は当たり前ですが1年経過しているので、デジタル機器の性能やアプリの(英語では「アップ」、で「り」は発音しない、余計な話ですが)種類も一段と進んでおり、参加者からはデジタル機器への「依存症」と有効活用について熱の入った議論。総意としては、あくまで道具の一つであり、重要なのは中身とタイミングを教育者・保護者が注意深くモニタリングすること、ということに。アメリカの参加者からは、ウオークマンが出来た頃は、音楽依存症、対人関係力の低下など懸念されたが、結局杞憂だった、30年後に今の状況を振り返っても、同じような結果ではないか、との発言。学生の頃にウオークマンが売り出された世代としては納得。

また、参加者が持ち込んだ研究内容や意見表明などを行うポスター展示がランチ前後にあり、京都の「たかつかさ保育園」の発表の場で、先週出来上がったばかりのESD(http://www.esd-jpnatcom.jp)の英語のパンフレットを配布。200冊が全部なくなり、この大会に合わせて英語版の作成を大慌て行った甲斐がありました。

夕方、地下鉄でスミソニアンへ。15年前の家族旅行を思い出しました。好きな場所です。次はいつこれるか、と感慨深く、お土産コーナーで買いすぎました。

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