園の日常

ばった

「むしおるー」とゆーくんが呼びに来た。

どれどれ、とカフェテリアの網戸にある2センチくらいのバッタを見つけ、”ほら、ほら”って捕まえて見せてあげようと思い指を出した瞬間に、バッタは”あんた、もう歳だな、バッタも捕まえなくなるなんて”と嘲笑いしながら、一瞬のうちに園庭の中央に向けて飛んで行ってしまった。「キャー」と逃げ出す園児たち。バッタが怖いようだ。

バッタと言えば、蛋白源として食べ物が無い時代には食べた、というこれは別の意味で怖い話を聞いたことがあるけど、方や食べた世代、方や触るのも怖い世代。私は、母の運転する軽バンで白尾海岸の親戚の家に行って、虫かごいっぱいになるまで、捕まえてきて長町の近所の友達に自慢した世代。捕まえるなんて、なんともないですが、なにせ50年ぶりなので、すこし怖かったりする。

園庭では、文字を書いたり、絵をかいたり。涼しくなった園庭ではそれぞれの遊びが始まります。そして、赤組さんたちは近くの公園へ。自分で靴下を履こうする園児、お散歩車に乗って待ちきれない様子の園児。30分ほどで公園から帰ってきたマオちゃんは、摘んできた葉っぱを大事そうに左手に持ち、階段のサンにつかまりながら自分の場所へと戻ってゆきます。

夏に大きく身体も心も成長した園児を観るのは楽しい。

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