「M字カーブ緩やかに 育児期女性3/4働く 柔軟な働き方・保育充実」とある。
M字カーブとは、15歳から65歳までの女性が働いている割合で、出産を機会に仕事を辞めて、こどもが中高生になったら、また仕事を始めるので、25歳位が”M”の左の角で、45歳位が”M”の右の角。”M”の谷間が深ければ出産を契機に仕事を辞めた女性の割合が多く、浅いとその反対。
働き方も随分多様化した。私が会社勤めを始めた年に、男女雇用均等法が施行され、同じ仕事と経験であれば男女間の賃金の差はなくなった。それまでは、求人には「大卒男子 XX万円、大卒女子YY万円」とか平気であった。今から思えば、滑稽な話。一度会社に入れば、同期なら女子の方が優秀だ、なんて平気で上司が言っていた時代です。それから、時代は流れ、育児休業、派遣会社、パート、契約、地域限定、など自分のライフスタイルに合わせて、働き方を働く側が選べるようになり、「職業に貴賎なし」が「就業形態に貴賎なし」が常識だし、現実。いまだに、どの就業形態の人が優秀だとか聞くことはありますが、私は猛烈に違和感を感じます。
とにかく、子供を産む年齢が上がっている、とかそもそも晩婚化が進んでいるとはいえ、”M”を形取っている、その”M”の形が変化しており、それを可能にしているのが、保育園、こども園であること。社会インフラとして自覚をもって経営に当たっている方が増えた結果だと思います。例えば、和光では今年4月の0歳児は8名。10月は30名です。半年に、24名の0歳児(その多くは、満1歳を迎えた乳児で、母親が育児休業を終えて、働き出す)を迎え、24名の母親を社会に送り出しました。24名が賃金を受け取り、社会保障費と住民税を払い、豊かになった家計から購買活動が上向き、支払う消費税も増えます。健全な社会の、お金の循環に勢いをつけるのは保育所、こども園が底支えをしているからであり、それは電気、水道、道路などと同じ、社会になくてはならないインフラです。そして、質の高い教育・保育を乳幼児に提供し、その子達が親の背中を見て育った時には、また社会に出て働き、税金を払う。
同じ新聞に、カンボジアの教育再建に力を注ぐ日本を含むASEAN諸国の工科大学が乗り出し、ポルポト政権時代に大虐殺され教育者が少ない同国の再建に取り組んでいる記事が。和光会が所属する全国私立保育園連盟でも今年の1月にカンボジアの保育園を訪ねて保育実践の援助を行ってきました。保育、教育というインフラは国の発展のベース、さらに周辺国でも保育・教育というインフラが充実し、国として自立し、経済的な発展を健全に続ければ、地域の発展に大きく貢献します。”自分だけ、”とかの内向きな考えではなく、心を広くフットワークよく仕事をしてゆきたいとの思いを強くした今朝の新聞でした。