午前中は、2014年開設の郊外新築公団団地街にある幼保連携型の施設を見学。
いわゆるマンション1Fを利用した施設で園庭は棟と棟の間の公園。1F面積の半分以下と決まっているので、年齢によって棟が分かれているので、朝と夕方以外は年齢別保育。朝と延長の時間は異年齢での活動になる。1月2日から新学期がスタートして、まだ落ち着かない様子ですが、継続してきている園児が多い4−5歳の部屋はとても落ち着いてゆとりがある。反面、この団地の本部がある乳児の部屋は、玄関で親との別れが悲しい園児の大きな泣き声が聞こえたり、でどこも同じだな、との印象。いつまでも親から泣いて離れないわけにいかないので、泣いていてもすぐに保育士に渡して、すぐに母親がその場を離れています。子供の心境を考えると、どうかなとも思いますが、きりがない、とうのも正解で、子供の不安や居心地の悪さを受け渡しの時間が解決するのではなく、母親が”大丈夫、この人は私の友達、安心して”と我が子に笑顔で伝え、保育士が笑顔で受け取ることが大切との説明でした。こういったばあい、とかく母親も保育士も不安だったり、焦ったりで笑顔が消えがち。それが一層乳児を不安にさせているようです。子供は正直。この法人は(シンガポールでは、公立は国立大学の付属幼稚園のみで、あとは社会福祉法人(公的依託費+親からの保育料で成り立っている)と公的依託費がない、完全私立の施設の2つしかない)、今年6月までにあと3箇所を開園予定。本部がしっかり建物、人材の管理をしている様子です。
午後は文部省の幼児教育開発局でシンガポールの幼児教育システムに関する講義と質疑応答。文部省の幼稚園、厚生労働省の保育園、幼児教育開発局の幼保連携型と、種類生い立ち、今後の流れは日本と全くおなじ。保育士不足、処遇、研修、保護者支援、地域連携、小一ギャップなど、あまりにそっくりです。解決は解決策の制度設計を計画的に戦略的に立案すること、監査などの機会を通して現場の運営を十分に把握、コントロールすること仕組みが機能していること、つまり官民一体となっての活動です。保育、教育の質が高いと、保護者はその分に価値を見出して、喜んで高い保育料を払ってくれる。それで、給与改善を行えば、定着率があがる、という”問題解決策は我にある=ひたすら品質向上にある”というのが局長の解説でした。ま、お上頼りばかりでは現場の問題は解決しないよ、ということでこれはなるほど、と思う次第。
気温30度。
ランチは各自で、ということで幼児教育開発局のそばのメキシカン。コーラが450円、チキンブリトーが2000円。タクシー以外は物価は相当高いです。