出張

けんがく 3

今日も、朝から蒸し暑い。冷房の効いたところから出ると、メガネが曇ります。

午前中は、シンガポール本部で15カ国に幼稚園、インターナショナルスクールを運営する幼稚園を見学。創業20年です。経営方針、園の運営について説明を受ける。うなる。すごい。75%がシンガポール人、25%が駐在員の子弟。”プレミアム”幼稚園と自負するだけあって、経営の考え方、教育方針の基礎と常に改善する仕組みなどの説明を受けた。逐語通訳をしたのですが、あまりに素晴らしいので通訳にも力が入るくらい。このようなここの法人の努力を国の幼児教育開発局がバックアップしている点もすごい。国を挙げて、幼児教育のレベルを上げて、将来にわたって国の魅力、繁栄を確実にしたいという一貫性、改革精神がヒシヒシ伝わってきます。教育分野の手法もレッジョ・エミリア、インターナショナルバカロレアの”いいとこ取り”で自らの法人の理念・方針・方法を作っており、これも常に最新の情報を取り入れる姿勢が経営陣、保育現場にないと達成できないところ。とにかく、びっくり。

昼は、幼児教育開発局の次長とスタバ。おごると言っても、絶対にダメという。この辺りも、はっきりしている。シンガポールの0歳から大学までのシステムについてヒアリング。ノートに乳児から大学までの流れを書いてもらい、説明を受けました。中学卒業時に受ける試験でその後の進路がほぼ決まる。政府は貧困による低学歴の負の連鎖を防ぐために、幼児教育への支援を精力的に行っており、専用アプリで子育て支援情報なども幼児教育開発局で常にコンテンツを更新しており、保護者の育児能力の向上の面からもサポートしているとのこと。すごい。

午後は、郊外の施設。こちらも、集合住宅の1Fです。26カ所、子育てニーズがある場所に拠点をつくり、質の高い保育を目指している意気込み、理事長の信念を感じました。異文化、異言語、宗教上の違いをお互いに認め合うことを幼い時から慣れ親しんでいれば、国家や宗教間での対立には発展しないし、差別心も生まれない。これもまた、すごい。

シンガポールは淡路島のサイズ。沖縄から参加した園長が「沖縄も島で、島のことに関心が行きがち。本土のことにも関心がなかったりもする。同じ島国でシンガポールは常に海外に目を向けている。これは見習うべきだと思う」との感想を述べました。小さい国に、異文化、異宗教、異言語が当たり前のようにあると、自然に国の外の情報も自分から取りに行き、自分の価値基準で判断できる。日本周辺の緊張、中東での緊張、解決策は乳幼児教育からスタートする、と心に刻みました。

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