出張

みとめる

違いを認めること、大切な行動です。

議論して、話がつかないとき、何度話しても合意しないとき、「お互いに合意しないことに合意した。英語では “we agree to disagree”」と言います。 相手に自分の意見を強要しない、自分とどう違うのか理解し、それを尊重する・・・  なかなか、できないものですが、論破して自己満に陥るよりも建設的で平和だとおもいます。

シンガポール2日目。人口構成は中国系75%、マレー系15%、インド系10%。 自宅で話されている言語が何であれ、保育園・幼稚園では中国語と英語が公用語として教えられ、クラスは二ヶ国語です。それぞれ、宗教も違う、習慣も違う、そんな家庭からきた子供たちが、同じ園内で生活します。 教員も様々。園も様々。

 例えば、今朝9時30分に訪問した園は、この国では希少な一軒家(3億園以上とか)が立ち並ぶ中にあり、大きな一軒家を借りて保育園に改造した園。 90%が中国系、10%が駐在員子弟。水の淡水化事業を研究材料に昨年は4−6歳児クラスで活動を行った事例の紹介を受けました。

11時30分から見学した園は、国立の専門学校内にあり、教員や学生のこどもが対象。園は18ヶ月から2歳児クラスのみが個室で、あとは大部屋の年齢別保育。国の幼児教育研究機関になっており、長方形の保育室の半分L字型には約1メートルの「観察エリア」があり、幼児教育研究者が園内の子供や先生の動きを観察できる。こんなの初めてです。6歳児クラスでは、27名の半分が国語としての英語の授業、半分が中国語で絵画教室。 午前と午後で活動が入れ替わります。開園にあたり、保育の方法をあれこれ研究し、イタリアのレッジョ・エミリア現地見学後に、部屋のレイアウトを決めたということです。 こちらでは、今日1日どんな活動をしたか、を保護者に絵や工作で診てもらうのではなく、それぞれの子供がどんな思いで、絵を描き始め、途中経過を記録し、その途中経過を保護者に知らせることが、作品を見せることより重要視しており、これはレッジョ・エミリアに限らず、近頃の保育方法のトレンドですが、「プロセス重視」の取り組み。

途中、屋台で20分でお昼を食べ、(ごはん、ソーセージ、目玉焼きのセットで$2.5=200円位、バスに乗る前にマックでソフトクリームが$1=80円位)、シンガポール保育士協会へ。 昨日の文部省幼児教育開発局での話と同じく(当たり前ですが)、多民族、多言語、多文化の国では、幼児教育の標準化を推進しないと、通っていた園の”でき”次第で、発達や能力に大きなばらつきのある小学1年生が生まれ、その先の初等教育から高等教育までの内容を決め、その質を維持高めることは大変難しくなる、という判断で園の運営・内容監査SPARK評価システムが使われており、保育士会でもバックアップしている、との話でした。 また、英語が苦手のまま小学校に進学するとそのあとに津居て行けなくなるため、園で個別に英語指導の必要がある園児がいたら、個別指導用の教材一式を持って、保育園・幼稚園に出かけてゆく、など国レベルの施策ではこぼれてしまうような案件に、保育士会として機動的に動いている、といるという話を伺いました。

意見の違いを認める(それ以上は、いつまでもグタグタ言わない)。多様性を認める、こう言った考えが幼児教育から取り入れることによって、国がまとまるのだな、と目的がはっきりしている分、幼児教育の重要性が理解できたわけです。 また、ホテルに戻る途中、現地のガイドの方から、「なぜ、リー首相は戦後一貫して幼児の時期から英語教育が大事かと考え、実行したか」を聞きました。人口構成からして、「亡くなられたリー首相はシンガポールを第二の台湾にしたくなかった」からだ、と。 とても、意味深い説明で唸ってしまいました。

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