年を取ると、若い人たちが頼もしく、うらやましく思うことが多くなりました。
オリンピック、甲子園、実業界で活躍する若手経営者。 それより、園児たちの未来についてよく考えることが多くなりました。
スマホの代表機種であるiPhoneの初代はアメリカで2007年11月に発売開始。日本ではiPhone3Gが2008年6月に発売開始。 つまり、iPhoneは10年前に日本で使われ始められました。 10年後のiPhoneはどんな大きさで、どんな形をしているでしょうか? もうphone=電話とは呼ばないかもしれません。 今年入園の0歳児さんが就職するのは2040年前後。 そのころ、私は80歳を超えているのですが、その時代はどんな時代だろうか?
そんな話を、今日の午後に野々市市役所のカメリアホールで開かれた地元経済団体の勉強会で拝聴しました。講師は金沢工業大学の方。 野村総研勤務の経験から、最新の情報を最新の人脈で集めた貴重な講演でした。 テーマは「持続可能」。 社会の発展が永遠に続く、持続可能なものにするには、どう社会や事業会社が変わっていかなければならないか。 乳幼児教育の分野でも、「持続可能な開発のための教育 ESD = Education for Sustainable Development」として、文部科学省が学習指導要領の改訂で盛り込んだ考えに代表されるように、日頃の保育園生活を通して”自然に” 自然環境に敬意を払い、環境負荷の少ない社会を実現することで、社会の発展を持続可能なモノにする、とうい考え方。 わざわざESDなんで名前を付けなくても、日頃から自然に親しみ、電気の消費減を意識し、プラスチックの玩具を減らし・・・などの活動を行っています。
20年後は「持続可能」な社会を実現するような取り組みを行っているところに、仕事と資金が集まり、「A か B のどちらか」の選択方法しか知らない・できない会社は淘汰され、「A も B もできる」会社が繁栄する、という話をデータをふんだんに使っての解説でした。 そして、すこしショックだったのは、日本を含めた先進国では、既に存在するしきたりや習慣、インフラがかえって邪魔になって、画期的なアイディアの市場参入を阻んでいる、という話。 そういえば、インドでは固定電話網の整備の前に、携帯電話が通信インフラとして定着。 発電所+送電所から必要な場所での太陽光発電が普及した、という話。 フィルムカメラを手にする前に、デジタルカメラになった中国市場など。 アフリカのある国では、スマホで送金や支払いの決済ができる。 これは、ATMを増やしたり、銀行の支店を増やす時間と費用を不要なものにした。 しかし、同じことが先進国で起こるには、既にあるインフラや既得権益が邪魔する、とうことです。
自分の仕事を振り返ると、まんまだ「発電所+送電線」レベルだなと思う。 そんな話が地元で最先端の研究者から聞くことができて、充実したランチタイムでした。