引き続き、朝から30度を超える気温。慣れてきた。
乳幼児施設の見学は、午睡の時間の見学は意味が低いので、午前に1園、ゆっくり昼ごはんで2時から2園目。1日に2園が現実的な時間配分です。
午前は、仏教の幼稚園。北九州出身の僧侶が18年前から理事長を務める幼稚園で、2015年11月に神戸地区の保育園・幼稚園研修でシンガポールから来ていた園の園長と再開(私は、同志社女子大の埋橋教授の依頼で通訳として参加した研修ツアー)。シンガポールがマレーシアから独立分離したのが50年前。その前から、第二次世界大戦の戦争孤児を受け入れる施設運営をしていた宗教団体が運営する園です。園児の歓迎の歌から、園児の活動を見学。そのあと、園の方針などのレク。園は経営。経営哲学、経営システム、実行力できまる、を実行している素晴らしい幼稚園です。遊びを通しての学びから、道徳といった人間としての資質を作り上げる分野まで、十分に練り上げられた仕組みで運営されています。コンピュータールームも見学しましたが、地に足がついている。コンピューターは道具。目的ではない。実に、道具として使いこなす入り口の部分がしっかりしており、順序が逆ではない。これは肝に念じます。
シンガポールはライオンの住む町。と、いうわけで次の見学先までの移動時間の合間に、マーライオン。マーライオンの後ろには高層住宅街。ミッションインポシブルの何作か前に登場したビル群。日本がアジアのナンバーワンだ、と誤解してるあいだにガラパゴスになっていた、そんな圧倒的な印象を持ちます。
午後は、大手の保育園、幼稚園を運営する法人の施設見学。とても組織としてうまく運営されており(具体性に欠ける点をお許しください、書ききれません)、幼児教育開発局から数々の賞を受賞している施設です。その理由はわかる、そんな運営をしている法人。行事が多すぎる、保育士の負担が多くて、その日暮らしになりがち、などという話題に振ったところ、”おんなじだー”と大爆笑。
シンガポールは淡路島の面積。500万人(石川県の5倍)が暮らす国。利用できる土地と保育需要を満たすために、大部分の施設が公団住宅の1Fに位置します。日本でも待機児童対策として、マンションの一室を保育園として使うことについては規制(園児一人当たりの面積基準など)を緩め、開園しやすくしています。これに対して、保育団体からは「こどもがかわいそう」「園庭もないのに、保育園か」というネガな意見が多いです。ただ、土地がないことを前提として組み立てられた幼児教育の仕組みでは、保育の質を高める仕組みがあり、「マンションの一室=レベルが低い」とはなっていません。この部分、既得権にあぐらをかく日本の保育園業界は考え方を見直し、現実的な解決策を組み立てて行くべきです。この意味で、シンガポールは制度・仕組み、現場の運営という点で、大きく先を走っており、見習う点が多い。これが、2日目の感想。