会議・勉強

かんせい

9時過ぎから、元国立の教育大学で学長をされ、現在は中高一貫校の学校法人の理事長をされている渡辺先生が来園されました。

以前、出張先で昼食をご一緒し、「石川県にお越しになるチャンスがあれば、和光にお越しください」とお願いしたことが現実となりました。 小学校以降の学校教育がご専門ですが、学校教育の基礎となる乳幼児の養護と教育についても、人の成長の連続性の観点から大いに知見があられることから、和光の保育・教育をご覧いただいたわけです。

一昨日までの雨は昨日の朝ですっかり止んで、秋空のような空気が澄んだあさ。もちろん、予定通りたくさんの園児が公園に出かけたり、運動能力テストに出かけたりで、園内はひっそり、静か。 公園に行かず、園庭に残ることを選択した黄色組さんの様子、園児のいないアトリエ、にぎやかな赤組の様子をご覧いただき、給食を食べながら、ご感想をお聞きしました。

赤組の観察から

一人の乳児さんがお座りして、おもちゃで遊んでいて、その遊びの様子を40センチほど離れたところにいる、別の乳児さんがじっとみつめる。遊びに興味があるのか、その友達の仕草に興味があるのか、遊びに加わりたいのか(成長段階的には一人遊びの月齢)、じっと10分弱観察。 近くにいる先生はお膝の上で、絵本をほかの乳児に読んであげており、この二人の乳児さんを横目で見ながら、「さて、どんな行動に出るかな」と見守っている。 二人の乳児さんは、とくに先生に対して”ねえねえ”視線を送っているわけでもなく、黙々と一人遊びの乳児さんの遊びを、じっと見つめるもう一人の乳児さん。 その”もう一人の”乳児さんは、指を鼻にあてて、ニコニコし始めました。 この10分の観察で、乳児さんが何を思い、感じて、欲しているか、欲していないか、など昼食を食べながら、渡辺先生の解説をお聞きしました。

「感性の教育」と「理性の教育」。小学校以降は後者が、教科教育として割合が増します。 「感性の教育」は一生の過ごし方を左右する、乳幼児期にぐんと脳が整理されるときに消されずに残る”感性”の紡ぎ方であり、環境を通して行うことが主の乳幼児教育の特徴であり、その価値(小学校以降の教科書などの教材を使って行う教育との対比で)を、和光で引き続き伸ばしてゆくことを、和光の乳幼児教育の特徴としては、とのご指導をいただきました。 来月は、学校にお伺いして、続きの指導を受ける予定です。 この子どもの視線の先にあるものは何か、どんな気持ちがわいてきて、脳が総動員で新しい発見や感情の獲得作業を裏で行っているか、その実体験があるのと、ないのではどんな差がでてくるのか・・・ 奥深いですね。