発育

まねる

大人の世界で「まねる」というと、独創性がなく、人のアイディアを無断拝借するような、”ずるい”とネガティブな意味になりがち。

しかし、子どもの世界は人まねからスタートする。 頭の中で、目に見たことを再現して、それで自分の手足・身体を動かす。 脳のいろんな場所がコーディネートされて一生懸命に働いている証拠。 認知症テストに医者が差し出した手のひらと同じ動作するときに、手のひらを相手に向けず、自分に向けると認知症の始まりだ、とか。 自分で記憶している、或いは目の前で展開されている動作を再現できることは、子どもの成長にはプラス。 だからこそ、絵本の物語の場面を絵と言葉を通して、頭の中で3Dに再現してインプットすることは、すべて答えが見えているDVD画像を見ているよりも、脳が働く。 なので、読書量と語彙数は比例するし、小学校以降の学力にも影響があります。

1歳児クラスがお散歩から帰ってくると、自分で帽子を片付けます。 その時、先生がやっている動作や、お友達がやっている姿をみて、まねしようとします。 ここで、「あかちゃんはなにもできないから、手伝ってあげよう!」と思って手を出すと、意欲をそぐことになります。ここは、手が出そうなるのを、励ましの言葉に替えることが大人の仕事。 それから、ままごと遊びは、家での料理する大人の姿を見て、それをことも同志で再現する遊びです。これも、どれだけ大人がそんな姿を見せているか、子どもが見る機会を作っているか、がカギですね。 大人にとっては、なんてことないことでも、こともたちにとっては大ごとです。模範的な行動、言葉使い、これも大切ですね。