出張

こくれん

今日は「国連の日」。

74年前の1945年10月24日に国際連合憲章が発行し、国際連合が正式に発足しました。 国連の活動を意識して毎日の生活を送ることは、日本では少ないと思います。 電子版の日本の3大紙にも記事は見当たらないので。

今日、ストックホルムの幼稚園を2カ所見学。1989年の国連総会で採択され、翌年の1990年に発行、日本は1994年、つまり25年前に批准したのが「子どもの権利条約」です。

54カ条からなる「子どもの権利条約」は、生きる権利、育つ権利、守られる権利、参加する権利に大きく分かれます。 日本の保育園の運営理念である「子どもの最善の利益」(=大人の都合で、もどもの自由や権利を尊重しないことはダメと言うこと)の拠り所が、この「子どもの権利条約」にあたり、日本でも保育に携わる仕事をしている者にとって、一番共通に認識されている文言です。 かといって、それが実行されているか、意識されて日々の保育や教育がなされているか、は別の話、という建前と本音という日本的な壁を感じるのですが、保育園・こども園では、少なくとも「これ、どうしようか?」という決断する際に、「それって、子どもの最善の利益になるのかな?」「子どもの最善の利益を考えると、Aではなくて、Bだよね」というモノサシにはなっていると思います。 園長が手にしているのは「こどもの権利条約」の抜粋のカードで、職員が意識して、「いまの、〇〇ちゃんの行動は、何条に当たるよね」と語るときに使うガイドブックのようなものです。

今日訪れた2園で「すごいな」と思ったのは、「子どもの権利」を判断基準にし、カリキュラムを組み立てていることに加え、近頃事業会社の中でも関心が高まってきている「SDGs」が日々の活動テーマに組み入れられていること。 「このクラスの今年の取り組みは、SDGs 11に従った内容です、と説明されました。SDGs11は「住み続けられる街づくり」。 郊外にある園ではそのコミュニティの発展のために、交通機関や地元産業、教育を自立させてゆく循環型社会を目指すことが大切と考えており、その中で園舎の前を通る電車の役割をみんなんでプロジェクトとして取り組み、電車と地域社会の繋がりについて絵で自分の思いを表現し、ドキュメントしてまとめていました。

国連憲章、SDGsが日頃の園での教育・保育に溶け込んで入れば、それを身近に感じるし、大切にして次の世代につなげてゆこうと言う考えは、大戦後に国連ができたそもそもの理由に基づいており、国力向上につながってゆくのだろう、と思います。 ジャケットの胸にSDGsバッジをつけている会社員の方を見かけることが多くなってきましたが、バッジをつけるまでもなく「当たり前だろ」って20年後の社会人になった、今の園児が言うような、そんな社会的責任・役割を保育園・こども園は担っている、と感じさせられた園見学でした。