さてさて、今日シンガポールの幼児教育現場の体験研修初日です。
9時に200の保育園・幼稚園で14,000人の園児の乳幼児教育を実施している施設を訪問。 2016年に10園を開園し、旺盛な乳幼児教育の実施者として自信と誇りをもった園運営の姿を見ました。 施設が立派だとか豪華だとか、ではもちろんありません。 おもちゃで気に入ったのは、「プログラミング」の基礎となる先を見通して、機械に動きを支持記憶させるミツバチの形をしたロボットと課題シート。なるほど、です。
シンガポールでは、公立の園は国立大学付属幼稚園のみ。現在は、165,000人が保育園・幼稚園に通い、就園率は98%。 運営は、日本でいう社会福祉法人の他に非営利企業、宗教団体による運営があり、前者では今回の訪問先のように大規模が5団体、中規模が35団体あります。 複数の園を運営する際には、その運営の「質」を高く・均等に維持するためのノウハウ(研修、採用、研修、採用、・・・)がキッチリ整備されており、これは日本の大手のチェーンストア、ホテル、車の販売店など、どこでも同じくその企業の存続、成長の鍵です。
また、シンガポールでは保育園・幼稚園の国による評価制度があり、毎年受審する園が全体の三分の一。 評価は点数化され、文部省幼児教育開発局のHPで公開され、このスコアをもとに、保護者は園を選びます。
グループ内の研修や自己評価、国の評価を受審することにより、日頃からの園運営を自分たちで見つめ直し、改善策を練り、それを実行する、という当たり前ですが、なかなか手がつかない仕組みがあります。 これは、企業も同じ。 午後に訪れた文部省幼児教育開発局で幼児教育制度説明を受けました。 施設は、幼稚園が500、共働き世帯を対象とした保育園が1,100。どちらも共通しているのは;
1 幼児教育の質を上げる 2 利用しやすい 3 経済的負担が少ない
の3本柱の施策で、98%の就園率で幼児教育をスタートし、高等教育まで筋の通った、選抜制を基本とした人材育成を行っていることが実感できる話でした。私が経験した「受験戦争」は日本では昔話。しかし、それを苦労して通過したきた自信は自分にはあり、(流行りの”GRIT”というやつですね)、それが薄れる日本は反面心配です。
ランチはマーライオンの近くで。 メンテナンスと清掃工事が行われており、今回は見られませんでした。 相変わらずの急成長ぶりに、日本はずいぶんのんびりとしてるな、とせっかちな私は感じるのでした。 明日は、幼稚園、こども美術館、保育士会を訪問予定。 気温は30度に届かず、涼しくて期待外れ、でしょうか。