出張

すがた

国の乳幼児保育・教育の方針(指針)の改定が昨年あり、小学校に入るまでに身につけていてほしい「10の姿」が明確に書かれました。

”小学校や小学生になって子供が困らないように、「10の姿」を体得させることが保育所、幼稚園、こども園の責任だ”、というような解釈がなされ、10の姿を最終到達目標として毎年、毎月、毎週、毎日の保育・教育内容を組み立て、それを抜かりなく実行することが求められている!?という理解と誤解があります。 あたかも、月末までに10台テレビを販売するには、毎日何台売り、何件の商談を作り、・・・といった会社や営業所の販売目標みたいな取り扱いですね。 ちなみに、10の姿とは(私も暗記しているわけではなく、ネットで調べて再掲しています)。

1 健康な心と体、2自立心、3共同性、4道徳性・規範意識の芽生え、5社会生活との関わり、6思考力の芽生え、7自然との関わり・生命尊重、8数量、図形、文字などへの関心・感覚、9言葉による伝え合い、10豊かな感性と表現

それはそうだな、と10項目を見て思いますよね。 同時に、「(人として)当たり前だ」とも思います。

今日は「日本保育学会 第72回大会」の2日目。 この10の姿についてのシンポジュウムに参加。3つの園からの現場報告とそれをまとめて解説するのが新宿せいが子ども園の藤森園長先生でした。 現場報告では、動画を使って4歳児から0歳児までの日々の園内の生活の場面を紹介し、すでに0歳からこの10の姿のいくつかが現れている、との報告です。 藤森先生の解説は、「人は10の姿を持って生まれており、それが引き出されるような友達や遊具の環境を用意しておくのが園(昔は、家庭でも当たり前にできた)、との解説。 つまり、10の姿を園生活を通じて計画的に教え込み、体得させ、”いっちょまえ”の年長児に”仕上げ”て小学校に送り出すのではなく、一人一人の成長のペースを機敏に察知して、子ども一人ひとりが持ち合わせているこの10の姿を発揮して、生活(家庭&園)を豊かに、楽しくすること。 藤森先生は「シナップスの刈り込み」と表現されていましたが、これは面白い表現。 刈り込み(捨てる)事に失敗するといつまでも持っている。つまり、大人と子供が「やってあげる=やってもらう」関係だと、持って生まれた力を「必要ないんだな」と脳が解釈して刈り込んで(捨てて)しまう。 例えば、悪いことをしても咎められないと、「これはやってもいいんだな」と理解して、道徳心が芽生えても育まれることなく成長し、だらしない大人になってしまう。

会場では、全国私立保育園連盟の仲間、海外研修にご一緒した方、研修会で知り合いになった方など、多くの人に「お元気ですか」と声をかけていただきました。GW中の2日間、とても学びの多い時間となりました。 ご褒美に、新橋でボールを1ダース特売品を手に入れました。ラッキー。 大妻女子大学から半蔵門駅までの間に、新築中の集合住宅の工事現場。101平米で約2億円。頑張れば、買えるかな、と思いたいですね。